スウェーデンデザインの巨匠
Olle Eksell / オーレ・エクセル
1918年、コッパルベリ(Kopparbergs)現ダーラナ(Dalarnas)で生まれました。スウェーデングラフィックデザイン界の巨匠で黄金期を支えた重要なデザイナーです。グラフィックデザインへの興味から1939年から装丁と広告を学校で学びましたが、第二次世界戦後広告デザインの先進国であったアメリカ・ロサンジェルスへグラフィックデザインの勉強のため留学を行っています。一躍有名となった契機は1956年のチョコレートメーカー、マゼッティ(Mazetti)による「ココアイズ」ロゴコンペでの優勝でした。1910年より採用していた従来のロゴの目は非常に写実的でしたが、これをオーレはピクトグラム的にデザイン化、それは彼の代表作ともなっています。その後マゼッティにおいてマーケティング、広告・パッケージデザインを担当し、ブランド知名度を上げるのに大いに貢献しました。彼は「優れたデザインは企業イメージを高め経済効果を生む」という考えを持っており、1964年に刊行された「デザイン=エコノミ」にもそのポリシーは述べられておりデザインの教本として各国の美術学校で読まれています。
CocoEyes / ココアイズ (1956)
チョコレートメーカー、マゼッティの商品ロゴ。非常にエッジの効いたデザインで商品の知名度を上げるのみ多いに貢献。オーレの代表作の一つです。
Wilhelm Kåge / ウィルヘルム・コーゲ
1889年、ストックホルム(Stockholm)で生まれました。ヨーデボリのヴァランド美術学校で絵画を、その後ミュンヘンのポスターデザインの学校でグラフィックデザインを学び、1917年には老舗陶器メーカーのグスタフスベリのチーフデザインに就任します。そこにはスウェーデンブランドの向上を国が積極的に主導する形で、1845年に設立されたスウェーデン工芸工業デザイン協会の存在があります。グスタフスベリを含む国内メーカーは産業革命の影響で失われようとする伝統的な技術を維持しながら、美術工芸品ではない生活ニーズを要求される品に、新しいデザインを誕生させようとする試みを行おうとしていました。その期待に応えウィルヘルム・コーゲは日常の機能性を重要視しながら、そこにモダニズムを融合させる北欧デザインを誕生させます。
Pyro / パイロ (1930)
やさしい色彩と一輪の花によるワンポイントデザインが非常にシンプルで印象的なテーブルウェアです。ヴィンテージは非常な人気となっています。
Praktika / プラクティカ (1933)
積み重ねて収納ができるという極めて機能的なキッチンウェアで、グスタフスベリのモダンデザインのはしりとされウィルヘルム・コーゲの代表作ともいえます。この作品もヴィンテージとして非常に高い人気を誇っています。
グスタフスベリ / GUSTAVSBERG
1825年設立の陶器メーカー、著名なデザイナーによる人気シリーズが数多いスウェーデンを代表するブランドです。1917年からアートディレクターとしてヴィルヘルム・コーゲが在籍したころの製品は人気が高く、現在復刻盤として再販されています。