ユーロ導入前のフィンランド法定通貨マルッカ

フィンランドマルッカ

2002年2月28日にユーロ法定通貨としユーロ通貨圏となっています。以前の通貨はフィンランド・マルッカ(Suomen markka)、略称FIM、又はmk。

石油危機を乗り越えハイテク立国政策に重点をおきながら経済成長を遂げてきたフィンランド経済は1990年に失速します。それは経済の崩壊、マルッカ通貨の暴落を予感させるほどの危機でした。主な理由としてソ連邦解体とバブル経済の崩壊です。フィンランドのソ連向け貿易は輸出全体の約20%前後であったため、ソ連邦解体に伴う原材料とエネルギーの供給の減少と、輸出量の減少の影響は大きく経済成長に大きなブレーキとなりました。さらに金融緩和政策によるバブル経済が不況にあわせて崩壊。1995年にECに加入したフィンランドにとってユーロ導入は避けられない政治決断だったのです。

10マルッカ紙幣



表面

パーヴォ・ヌルミ肖像

Paavo Nurmi

パーヴォ・ヌルミ

空飛ぶフィンランド人と呼ばれ、オリンピックで通算9個のメダルを獲得した中距離陸上選手。彼の得意とした1マイル競争(1609.344走)は31年間破られず、限界の記録とされていました。

裏面

ヘルシンキオリンピックスタジアム

Helsinki Olympic Stadium.

【紙幣発行1986年】

20マルッカ紙幣



表面

ヴァイノ・リンナ肖像

Tammerkoski bridge

ヴァイノ・リンナ

ノーベル文学賞候補にもなった作家、裏面デザインにあるタンメルコスキ橋は彼の出身地タンペレにある。

裏面

タンペレのタンメルコスキ橋

Tammerkoski bridge.

【紙幣発行1986年】

50マルッカ紙幣



表面

アルヴァ・アアルト肖像

Alvar Aalto

アルヴァ・アアルト

20世紀を代表する建築家、以外に家具や照明などインテリアにも優れたモダニズムデザイン作品を残しています。フィンランディアホールは彼の晩年の作品で大理石が美しいコンサートホールです。

裏面

フィンランディアホール

Finlandia Hall.

【紙幣発行1986年】

100マルッカ紙幣



表面

ジャン・シベリウス肖像

Jean Sibelius

ジャン・シベリウス

今なおフィンランド国民に敬愛される、北欧を代表する作曲家、帝政ロシアの圧政下で民族意識の高揚を表現した交響詩フィンランディアは愛国歌としてうたわれています。

裏面

交響詩トゥオネラの白鳥から

Swans.

【紙幣発行1986年】

500マルッカ紙幣



表面

エリアス・リョンロート肖像

Elias Lönnrot

アンナ・アンケル、ミハイル・アンケル夫妻

医師エリアス・リョンロートはフィンランドの民間説話をまとめ、民族叙事詩カレワラとしてまとめました。フィンランド語文学として非常に評価されており、ロシア帝国支配下のフィンランド人のアイデンティティを大きく刺激。ロシアからの独立を目指した民族主義運動の原動力となりました。

裏面

森のハイキングコース

Forest hiking trail.

【紙幣発行1986年】

1000マルッカ紙幣



表面

アンデルス・キデニウス肖像

Anders Chydenius

アンデルス・キデニウス

アダム・スミスは経済への国家権力の介入を退け、自由市場に経済任せるべきとした古典自由主義を唱えましたが、アンデルス・キデニウスはこの考えを推進した政治家・哲学者であり自由主義北欧学派に属します。

裏面

スオメンリンナ要塞

Kuninkaanportti gate in Suomenlinna.

スオメンリンナ要塞

ユネスコの世界遺産にも登録されているヘルシンキの海防星形要塞です。スウェーデン=フィンランド時代、ロシア帝国に対する防衛のため築かれました。

【紙幣発行1986年】