北欧諸国ってどんなところ

北欧諸国とはどの国々のこと?

北欧ってどういうところなんでしょうか?今なおスカンジナビア半島の北部にみられる氷河と、その氷河によって形成されたフィヨルドや澄んだ湖、そして深い森。さらに太陽が沈まない夏の白夜と寒さの厳しい長い冬、空に幻想的に輝くオーロラなど、日本で暮らしていては想像すら容易ではない地域ではないでしょうか。スカンジナビア半島に位置するスウェーデン、ノルウェーそれにデンマークとフィンランド、アイスランドを加えた5ヵ国を表すことが多いです。フィンランド以外は北ゲルマン系民族で同じノルド語に属しているため、ある程度お互いの言語を解するようですが、フィンランドのみウラル山脈地域をルーツとする民族が母体となっており、他の北欧諸国とは民族、言語形態が異なっています。しかし北欧諸国は歴史・文化・社会等に共通点が強く、北欧理事会と呼ばれる相互協力の国際組織を構成し、北ヨーロッパの政治的団結を見せています。現在スカンジナビア半島には西はノルウェー、東はスウェーデンが位置されてますが、現在スェーデン領である南端部スコーネと呼ばれる地域は17世紀まではデンマーク領であったため、一般的にスカンジナビア3国と呼ばれ、非常に似通った文化を共有しています。


ヴァイキングってなに?

北欧といえば想像するのは白夜やオーロラ、スカンジナビア半島でしょうか。一番しられているのはヴァイキングの故郷だと思われます。ではヴァイキングとはなんでしょう?角の付いた兜をかぶって侵略、略奪を繰り広げた無法集団というイメージがあるのではなでしょうか。キリスト教化が進んだヨーロッパ諸国でも彼らを北方の異教徒集団ととらえていたようです。実は集権化がすすむ中で計画的に組織された、高い航海技術と手工業技術持った遠征開拓団なのです。交易、入植を目的とした遠征は中世ヨーロッパに大きな影響を及ばしました。

北欧デザインとは

北欧におけるデザインの考え方

地理的に高緯度に位置する北ヨーロッパは夏が短く冬が長い上、日照時間が短いという特徴があります、しかも冬の間は雪に閉ざされるなど、厳しい自然環境下で生活を営んでいました。そのため快適な生活とは長く暗い冬場を過ごすことになる、室内生活レベルの向上に他なりませんでした。居心地のいい生活とは?基本的に北欧デザインのコンセプトはここにあります。デザインとは形に美しさと機能性を製作者(デザイナー)が意図して内包することで生まれるものとされています。美しさとは使ってみたい、触ってみたいという欲求を喚起しそれに機能性を付加することで使い手に満足感を与えます。その満足感は使うことにより普段の生活が一層便利になったと実感したとき生まれるものでしょう。長い暗い冬を明るく豊かな気持ちで暮らせるもの、この追求が北欧デザインにはみられます。

北欧モダンを主導・スウェーデンデザイン

ヴァイキングの時代より手工業製品の制作に優れており、スウェーデンのモダニズムデザインの礎には大切にされてきた職人たちの技術があります。織物、ガラス、木工といった伝統工芸を支えた彼らの存在は大きく、その暖かい人間味あふれる制作コンセプトと取り巻く豊かな自然が合わさりスウェーデンのモノつくりの基本となっています。

マイスターの伝統国・デンマークデザイン

かつてノルウェー、スウェーデン、フィンランドを支配下に置き北欧をリードしてきたデンマークはデンマークはヨーロッパ最古の王室をいだく国でもあり、王室を含めた貴族階級へ供給するための手工芸品の製作が近代まで多数行われており、その供給の担い手である職人を育てるマイスターの仕組みが今日のデンマークデザインの礎と言われています。

独特の美的感覚・フィンランドデザイン

フィンランドは12世紀まではヨーロッパ文化圏から外れた独自の文化を持つエリアでしたが、それから1917年の独立まで800年近くスウェーデン、そしてロシアの支配を受けたため両国からの影響は大きく、スウェーデンから吸収したヨーロッパ的素養とスラブ的な感覚の融合は独特な美的感覚としてデザインの上にも表れています。

光明がみえるか・ノルウェーデザイン

ノルウェーはスウェーデン、デンマークと同様ヴァイキングを国の発祥にもちます。ノルマンヴァイキングの高い造船技術そしてノルウェーの豊かな森林資源は、多くの優れた遠洋航海に耐えうる船舶を生み出しました。造船の際に重要とされる木材・鉄などの加工技術は職人たちの手により、織物・木工・銀製・銅銀製といった伝統工芸に反映され、美術価値の高い作品が多く作られました。

北欧の成り立ち

福祉国家モデルとなった北欧の歩み

北欧は古来ヨーロッパ大陸から地理的な条件で隔離され、また近世に入ってからは中立という立場で緩やかながら距離を置こうとしてきました。戦後は国のかじ取りを任された社会・労働党による配分主義を理想とする競争原理が軌道にのり高度福祉体制を確立、50年~60年代はモデル国家として黄金期を迎えました。そしてグローバル化が急激に進む今、ユーロという大きな枠組みの中でどう国としてのアイデンティティを持ちえるのか、分岐に立たされています。